弁護士、会計士、税理士などの専門的なアドバイスを軸とするビジネスでは、売上の大部分がコンサルティングやサービス提供によるものであり、在庫や原価管理の負担は少ないものの、税金・会計面での計画が事業の成長に直結します。
本記事では、米国の会計税務について、プロフェッショナルサービス従事者が押さえておくべきポイントをまとめます。
米国では、Sole Proprietor(個人事業主)として事業を行う場合、Self-Employment Tax(自営業税)が発生します。一方、法人化(S-Corp, C-Corp)を検討すれば、所得分配の調整により、税負担を抑えることが可能です。ただしその分手続きが複雑になるため法人化すべきタイミングは慎重に判断する必要があります。
専門職サービス業は、設備投資や在庫管理の負担が少ないため、利益がそのまま課税所得となりやすい特徴があります。特に、年間の純利益が数十万ドルを超える場合、適切な節税対策を取らなければ、税負担が大きくなります。
米国でビジネスを行いながら、日本のクライアントからの収益がある場合、日米両国で課税される可能性があります。FATCA(外国口座税務コンプライアンス法)やFBAR(外国銀行口座報告制度)に対応する可能性もあり、未対応の場合はペナルティのリスクが発生します。
業種業界を問わず、サービス以外の商品を売る場合は、Sales Tax(消費税)を納めなければいけません。また業界によって特に注意が必要なケースがあります。たとえばIT業界であればサブスクリプションビジネス(継続課金)、不動産業界であれば不動産売却時の税務計画など、州ごとに異なるルールが設けられているため、よく確認して処理することが課題になります。
Sole Proprietor, LLC, S-Corp, C-Corp のどれを選ぶかによって、税金の負担は大きく変わります。たとえば、S-Corp を活用すれば Self-Employment Tax を抑え、利益の一部を配当として分配することで節税できます。
Taxable Income(税金のかかる所得)を調整するために、401(k)やIRAなどのリタイアメントプランを活用し、将来のために節税することが効果的です。また、ソフトウェア購入費やホームオフィス費用として家賃や光熱費などを正しく計上することも、課税所得を抑えるための有効な手段となります。
米国と日本の税務申告を最適化するために、Foreign Tax Credit(外国税額控除)を活用することで二重課税を回避できます。さらに、FATCAやFBARのコンプライアンスを遵守することで、IRSの監査リスクを低減することが可能です。
IT業界向けには、クラウド収益モデルの適正な売上管理が求められます。不動産業の場合、1031 Exchange(資産買い替えによる税負担の軽減)を活用し、売却益の税金を繰り延べることで節税できます。
ある個人事業主は年間20万ドルの利益があり、高額なSelf-Employment Tax(自営業税)の負担が課題となっていました。この問題を解決するため、S-Corpへと法人化を行い、給与所得と配当所得を適切に区分する仕組みを導入しました。その結果、約1万5000ドルの税負担を削減し、税務上のメリットを最大化することに成功しました。
あるIT企業は全米の複数の州でサービスを提供しており、Sales Tax(売上税)の処理が複雑で課題となっていました。そこで、適切なクラウド会計システムを導入し、州ごとの税率やルールに合わせて自動で売上税を管理・申告する仕組みを整えました。その結果、税務コンプライアンスを遵守し、税務調査やペナルティのリスクを効果的に回避することができました。
ある不動産投資家は、物件の売却に伴うキャピタルゲイン(譲渡益税)が高額になるという課題を抱えていました。この課題を解決するため、1031 Exchangeを適用し、売却益にかかる税金を繰り延べて、新たな投資物件への再投資を行いました。その結果、税金負担を抑えつつ、効率的に資産ポートフォリオを拡大することに成功しました。
おかげさまで尾崎会計事務所は、20年以上にわたり、米国でプロフェッショナルサービスを提供する皆さまの会計税務もサポートさせていただいております。
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